今回は「Yahoo!知恵袋の質問に現役高専生が答えてみた!」第2回です。前回の記事がご好評いただきましたので引き続き連載記事として投稿していこうと思います。
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お急ぎの方は、目次から『まとめ』にジャンプしていただくと重要ポイントだけご覧いただけます!それでは明石高専の推薦入試を徹底解説していきましょう!
ご質問&ベストアンサー
質問
明石高専を志望している中学3年生です。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11246387256?__ysp=5piO55%2Bz6auY5bCC より引用(2021/9/15)
1学期の通知表が返却されたのですが、今年から3観点に変わり提出物の重みが重くなったので普段提出物を出さない僕は、ほとんど4ばっかりで5がちらほらという形で40を切りました。1.2年では切ったことがありません。
2学期で取り返せる範囲でしょうか?
テストは学年250人で6位とか7位とかその辺りです。
担任の先生には本命の電気情報科は厳しいと言われました。
なので都市システム科を考えているのですが、
その場合2学期の最終評定どのくらい必要ですか?
また提出物に関してのアドバイス頂けたら有難いです。
ベストアンサー
内申、40ないと都市システムの推薦も難しいと思います。学力は頑張れば受かるかも知れません。学力で受ける場合は、第1〜第3まで希望学科がかけるので第1を電気情報科にし、第2を都市システム科にしたらいいと思います。説明会に参加されればどういう、第1に不合格の場合、第2や第3にまわし合格になる条件を教えて下さいます。学力テストで点数がとれれば内申が少し悪くても合格は出来るそうです。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11246387256?__ysp=5piO55%2Bz6auY5bCC より引用(2021/9/15)
兵庫県の中学校は絶対評価がほとんどだと思いますが、提出物は出す、発表をするなどです。宿題になくても美術は公募のポスターを出す、国語は読者感想文や作文を出す。もし、音楽会があれば(コロナ禍の中、ないかも知れませんが)指揮者をするなどです。
定期テストの点数に対して通知表が納得いかなれば、その教科の先生にどうすれば内申を上げれるか聞いてみてもいいと思います。
現役明石高専生からの回答
2022年度(令和4年度)の学生募集要項が学校ホームページに掲載されました。出願上必要な情報や手続きの手順、日程、配点といった情報が掲載されています。受験を検討されている方は読んでおくことを強く推奨します。こちらについてもQuick記事にしておりますので是非ご覧ください。
提出物は出そう、でもまだ間に合う!
今回の質問者さんはなかなか個性的ですね(笑)。 一応最初にいっておきますが、推薦と学力どちらの試験を受けるにしても、第一志望は本当に行きたい学科にしておきましょう。
5年間学ぶ場所は自分にとって面白い場所のほうが絶対いいですし、入ってからの内容は別の学校なのかと思うくらい全然違います。 もちろんやってみて気が付く面白さもあるので、学力試験の第二志望以降で受かった学科があったら検討するというのもOKだとおもいます。
内申点ですが、まず提出物は出しましょう。話はそれからです。でもそれが出来ればまだ間に合います、ご安心ください! 質問者さんは十分な学力を持っているはずですから、あとは提出物を出すだけで内申UP間違いなしです。入試には先生方の協力も必要ですから、誠意とやる気を見せていきましょう!先生が出す課題にはそれなりの意味があります。高専に入ってからの学習ではその意義が分かることも重要です。
そうは言っても「入試のことばかりが気になって学校の勉強に手がつかないよ~」というそこのあなた!その気持ちわかります。そんなあなたのために今回もできるだけ丁寧にお答えしていきたいと思います。
まず、明石高専入試では半分が推薦、半分が学力で選抜されます(各学科40人前後で推薦が20人程度、学力が20人程度)。普通の学校よりも多いですよね。
そこで、この記事ではそれぞれの選抜方法の配点、入試対策に何をするべきか、試験当日のコツを順にお伝えしたいと思います。今回の記事は書くことが多く、長くなりそうなので2回に分けてお送りします。今回は推薦入試にフォーカスしていきますが最後までご覧いただければ幸いです。
なお、学力入試が本命という人はそちらについてもまとめておりますので、よろしければこちらの記事もご覧ください。
明石高専の推薦入試は内申が必要?
まず最初に、推薦で合格するにはどれくらいの内申が必要なのでしょうか?ベストアンサーの方がおっしゃる通り、内申は最低でも40はないと厳しいのは確かです。1学期で思うような内申が取れなかった人は2学期で40以上まで持っていけると理想的です。学力試験も受ける予定ならそちらも余裕が出てくるでしょう。
実際、私も電気情報工学科の学生ですが、推薦で入学した学生は聞く限り41,42が最低ラインといったところでしょうか。相場でいうと43,44程度ですね(45の人もいますし、、、、)。都市システム工学科でも最低40以上はないと厳しいと思います。その理由について説明しましょう。
明石高専の推薦入試は調査書点の割合が高くなっています。配点の詳細は公表することが禁じられているので、細かくはお教えすることができませんが、私が受験した2019年度時点での推薦入試の配点は3年次の内申が9割以上(調査書点と当日点の合計を10割としたとき)でした。ちなみに英・数・理・技家は2倍の配点となります。
残りは1,2年次の内申(こちらは英・数・理・技家の加点なし)と特別活動(生徒会や部活での実績、ボランティアなど)、当日のグループワークです。つまりほとんど調査書点、当日点は約2%とほんの少しというわけです。ハイテン キビシスギデショ…..
私もこの配点を説明会で見たときはびっくりしました。普通高校の推薦なら小論文や面接で取り返せるかもしれませんが、明石高専の場合はほぼ不可能だと思います。逆に言えば内申が十分にある人は、当日のグループワークで人でも殴らない限り受かるでしょう(笑)。
制度変更や配点の変更があったりした場合や、ここでは公表できない配点の詳細は秋以降の説明会で詳しく教えてくれるので是非説明会に来ていただけるとうれしいです。ちなみに説明会よりもリアルな高専や学生の雰囲気が知りたいならオープンキャンパスや高専祭もおすすめです(今はコロナで難しいですが)。
説明会や各種イベントの情報は明石高専ホームページに情報が掲載されますのでそちらもぜひ。
それでは、各項目で注意すべき箇所をお教えしましょう。
推薦入試、各項目のコツを徹底解説!!
3年次の内申点、ここを取らないと始まらない!
まず3年次の内申点についてです。3年次の内申は英・数・理・技家の評価を上げておくことが重要となります。理由は言わずもがな配点が高いからです。例えば国語が5で理科が4の人と国語が4で理科が5の人がいた場合、後者のほうが内申点が高くなるというわけです。
こんな言い方をすると怒られるかもしれませんが、英・数・理・技家の内申に注力したほうが他の科目に集中するよりも効率的です。ただ、推薦で確実に受かりたいなら教科関係なく評定がとれていたほうが安心ですし、何より特定の教科で手を抜くのは先生方に失礼ですよね。
ちなみに、明石高専の出願の際には学年学習評定配分表を同時に提出することになっています。学年学習評定配分表(以下、”評定配分表”と表記)とは、自分が在籍した学年で5が何人、4が何人といったように各評定の人数をまとめた表です。これによって5や4が少ない学校では内申点が加点されたりする場合があります。しかし、これはあくまでおまけ程度だと思っておいてください。なぜなら、母集団のレベルは反映されないからです。どういうことか説明しましょう。
最近の中学校の成績は絶対評価で付けられることがほとんどです。ですので相対評価だったころに比べれば周囲の学力に評定が左右されることは少なくなっています。しかし、それだとレベルの高い学校では4や5の学生ばかりが多くなってしまいますよね。そうなると困るので、絶対評価という体を保ちつつ評定の差をつけるために、レベルの高い学年や学校では定期テストや課題の難易度も高くなっていきます。
すると学校が違えば、絶対評価の場合であっても周囲のレベルが高くて内申が取れない人と、周囲のレベルが低くて内申点が高い人が生まれてしまうわけです。しかし、こればかりは評定配分表を見てもわかりません。その学校のテストや課題の難易度はそう簡単に測れるものではありませんし、、、、、
というわけで素直に提出物と定期テストで頑張って内申を稼ぐほうが吉というわけです。期待しないようにしましょう。
ここで差をつけろ!意外と重要、1,2年の内申点
次に、1,2年次の内申点についてです。3年次の内申があまりにも大きいので軽視されがちですが、ほかの受験者と競ったとき差がつくのはここだと思います。質問者さんは中学3年生ということで、上げたくてもどうしようもないですが、この記事を読んでくださっている1,2年生の皆さんは頑張って点を取っておくと推薦の時だいぶ安心できます(もちろん3年次の内申が取れていることが大前提)。
明石高専を受験する人は内申が45点満点中40以上ある人がほとんどです。さらに言えば同じ学科を受ける人なら内申点はそこまで変わらないと思います。おそらく受験者のほとんどが自分の±1,2点の範囲におさまるでしょう。そうなると先ほどまで考えていた3年次の内申が同じ人がたくさんいるわけです。その時差が生まれるのはもちろん残りの部分になります。詳しいことは言えませんが残りの配点のうち半分以上が1,2年の内申ですから、ここの点数を取っておけば競り勝てるということです。
私も推薦入試から受験しましたが、願書を書きながら改めて自分の内申の低さに泣きました(笑)。受かったから笑い話ですが、今から明石高専を目指そうとしている人、今の自分からステップアップしたい人は内申をとっておきましょう。いざというとき足枷がないほうが気が楽です。
特別活動って何のこと?
続いて特別活動!と言いたいところですが、ここに関してはどんな活動が評価されるかが明確にわかっていません。ですので私が中学3年生の時に聞いた話を書きたいと思います。現在の評価基準がどうなっているのかも正直なところわかりませんので、参考程度にとどめておいてください。
明石高専を受験するにあたりオープンキャンパスも含め何度か説明会に行ってはいましたが、受験を意識した説明会は2回ほどで、夏休みと11月の説明会はよく覚えています。私もそのときに入試対策について質問してきたので、もし受験することを早めに決めたらそこら辺の先生を捕まえて質問をすると詳しいことが分かるかもしれません。現在はコロナウイルス感染症のため直接会って話すことが難しいかもしれませんが、どこかで機会を見つけて聞いてみるといいと思います。
私が個別相談で質問した際に先生がおっしゃっていたのは、生徒会やクラス委員といったリーダーシップを要するような役割やボランティア活動をしておくと加点されるかもしれないということでした。また、説明会のスライドには部活動の実績やスポーツクラブの実績も評価すると書いてあり、これはおそらくですが各種検定や資格などもここの配点だと思います。配点が少ないのは確かですが、取っておいて損はないので中学生の皆さんは経験だと思って積極的に特別活動をしておきましょう。
当日点、対策は難しいけど気楽にいこう!
最後に当日点です。当日点に関しては非常に対策が難しい、、、、そもそも前例が少ないんです。というのも、そのグループワークになったのは2019年度入試からで、2021年度入試は新型コロナウイルスの感染拡大を考慮してグループワークが行われなかったんです。つまりグループワークが行われたのは2019年度と2020年度の過去2回だけということ(2021年時点)。
しかも試験の採点は、グループワークの様子を先生方が観察するという基準があいまいな方法をとっています。おそらくチェックシートのようなものが先生方に配られて採点されるのでしょうが、基準は公開されていないので確実にこれという対策方法はありません。ですので、私が受験した時の課題と最低限気を付けるべきことをお話ししたいと思います。
私が受験したのはグループワークが導入された2019年度入試でした。事前の説明会や入試の募集要項でグループワークに変更することが告知されていたので、その際は「マシュマロタワー」という課題が例として提示されていました。知らない人のために説明しておくと、マシュマロタワーというのはマシュマロと乾燥パスタを使ってできるだけ高い構造物を作るという課題です。
しかし、試験当日に出された課題は「これぞ春というものを作れ」というお題でした。課題を聞いたとき、もう少し頭を使うお題だと思っていた私からすると肩透かしを食らったように感じました(笑)。
あと、これは聞いた話なので私には詳細が分からないのですが、2020年度の課題は「紙を使ってできるだけ高い構造物を作れ」という課題だったそうです。
このように、出される課題は何かを協力しながら作るという部分で共通していますが、それ以外ではどのような方向性になるのかが予測できない状況です。ちなみにグループワークの時は1グループ4人で、同じ教室に数チームが入る形で分けられます。他のグループとの間に仕切りなどはありません。
続いて試験時に最低限気を付けるべきことをお話ししましょう。先ほども書いたように、これまでの試験や例として提示されていた内容からグループで何かを作成するというような課題が出される傾向があるようです。ここで注意すべきなのは制作物は評価されないということです。
つまりできたマシュマロタワーの高さなどは関係なく、その制作過程での行動や言動を採点しているということです。ですから、当日は焦りすぎないようにするのが大事だと思います。もちろん制限時間内に完成させるというタイムマネジメント能力も評価されているでしょうが、焦ってチームメイトとのコミュニケーションや自分の果たすべき役割をおろそかにしてしまうとかえって逆効果です。
また、無理にリーダーシップをとろうとするのもやめておいたほうが良いと思います。当たり前ですが、推薦入試の受験者であれば、そこら辺を歩いているよりもリーダーシップをとるのが得意な人が多いでしょう。ですから同じグループにそういう人がいてもおかしくありません。もちろん誰もやりたがらなければ自分でやってもいいですが、無理に自分がやろうとして雰囲気を壊さないようにしましょう。
リーダーシップをとるのも重要な役割ですが、雰囲気を作ったり、意見を引き出したり、改善案を出したり、タイムマネジメントしたり他にもできることはいっぱいあります。足りていない役割を補えば相応の評価してもらえるでしょう。
当日は模試などとは違った雰囲気に気押されする人もいると思います。私も試験教室に案内されるまでは緊張で足が震えていました(笑)。ですが、意外と心配しなくて大丈夫です。
ここまで偉そうに言っててなんですが実は私、学年末の内申が1年次から順に28,29,31とボロボロなのに推薦ダメもとで受けて、もちろんですが落ちてるんです(ここまで書いてきたことはちゃんと推薦で受かった人の話を踏まえているので安心してください)。それでも、推薦のグループで一緒だった人とは入学前から知り合いになれたわけですし、全く後悔していません。
グループの人が嫌な人だったらどうしようと心配な人もいるかもしれませんが、そもそも明石高専の推薦を受けている時点で、そこそこの優等生ばかりです。なのでグループの人を信頼してあげて、友達を作りに来たくらいの気持ちで臨みましょう。こんなこと言っては何ですが、配点の割合としては微々たるものですし、何かしらヤバイことしなければ大丈夫でしょう。推薦で受かった友人も楽しくやれば落ちないと言っていました(笑)。
まとめ ~明石高専の推薦入試~
今日は盛沢山でしたね、ここまで読んで下さりありがとうございます。それでは今日の内容をまとめていきましょう。
- 内申は重要!提出物は絶対出そう
- 第一志望は本当に行きたい学科を選ぼう
- 先生方に誠意とやる気を示そう
- 課題には意味がある!まあ、そのうち分かるさ(遠い目)
- まだ間に合う!
- 2学期で内申UPを目指そう
- 学力試験もある!(僕もそうでした、詳細は次回『学力編』で)
- 推薦と学力は約20人ずつ
- 明石高専の推薦入試は内申が必要?
- 推薦の相場は43,44くらい
- 明石高専の推薦入試は調査書の配点が高い
- 3年次の英・数・理・技家は2倍の配点
- 3年次の内申は外せない!
- 3年次は英・数・理・技家を中心に対策
- そうは言っても全教科の評定がほしい
- 特定の教科で手を抜くのは失礼
- 評定配分表の換算は期待しないほうがいい
- 3年次は英・数・理・技家を中心に対策
- 意外と重要、1,2年の内申点
- 競ったとき差がつくのはここ
- 取っておけば推薦入試で安心できる
- 特別活動って何のこと?
- リーダーシップを要する役職(生徒会やクラス委員など)
- 部活動やスポーツクラブの実績、検定や資格
- 当日点(グループワーク)の対策は?
- 何かを協力しながら作る課題が多い
- 制作物は評価されないので焦らないこと
- リーダーを無理してやらないこと、足りない役割を見つけよう
- 友達を作りに行くくらいで気楽に
あとがき ~時間がある人だけどうぞ~
ここまで明石高専の推薦入試について解説してきました。文章を書きながら改めて推薦入試の条件は厳しいなと思ってしまいます。2021年度の推薦入試なんて調査書の評価のみですからさらにシビアですね。私は先ほども書いたように推薦で落ちて学力試験で入学した身ですから、いまさらながら尊敬半分、うらやましさ半分といった感じです(笑)。でも、入試は受かれば勝ちです(フセイハ ダメ ゼッタイ)。
でも、入学してわかるのは推薦で入学した人も、学力で入学した人も実力に差は無いということです。入試の方式や点数に関係無くクラス順位の入れ替わりはありますし、順位が悪いからと言って頭が悪いわけでもありません。
こればかりは入学してみないと実感がわかないかもしれませんが、クラスで最下位クラスの人がクラスの誰よりもコンピュータや機械に詳しいとか、留年した人が実はめっちゃ多彩といったこともよくあります。そんな数字上の成績にとらわれない能力や才能に触れられるのが高専の魅力だと私は思っていますから、入学した後を楽しみにして受験に臨むのが吉ですね。
推薦を狙うなら、調査書点を頑張って稼いで、試験当日は友達を作って、あとは天命を待つのみです。縁があれば受かりますし、そうでなければ、、、、まあ皆までは言いません。入試は運も大きいものですが、この記事の情報が役に立って、読んでくれた人が明石高専に無事入学できることを願っています。それではまた~
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