生徒と学生の違いとは。同じ18歳でもできることが違う?!高専生の特権

高専が普通の高校とは全く違う学校であることは、このサイトをご覧の皆さんは既にご存知かと思います。しかしこれは、ただ校則が緩い、変人が多いなど、そんな話だけではないのです。

今回は高専生として1年半近く生活してきた私が身の回りで感じている、生徒と学生の違いを、ネット情報なども取り入れながらご紹介していこうと思います。

ちなみに大学生も学生に分類されます。が、ここでは主に、高校生と高専生の違いを注目してみようと思います。

高専について改めて確認

まず本題に入る前に、中学、高校、大学と高専の関係について確認しておこうと思います。

高専の位置付け、進学の課程

そもそも前提として、中学卒業後、その生徒にはさまざまな選択肢が与えられます。まず、一番多いのが一般高校への進学です。文部科学省の統計では、中学から高校への進学率は、同世代の97%に上ります。

その他の選択肢として、就職、高等専修学校・専修学校高等課程、専修学校・各種学校(入学資格等はなし)などがあります。
そして、さまざまな選択肢がある中で、マイナーな選択肢の一つとして上がってくるのが高等専門学校、つまりは高専です。

高専は基本的に修業年限5年間(商船に関する学科は5年6ヶ月)の過程で、工学・技術・商船系の専門教育を行います。つまり、一般的な高校には3年間在学するのに対して、高専生は5年間在学することになります。

高専卒業後は就職、大学への編入、高専の専攻科への進学などの進路が用意されています。

卒業後の進路・進学

先ほどもお伝えした通り、高専卒業後は就職、大学への編入、高専の専攻科への進学などの進路が用意されています。

例えば、明石高専都市システム工学科の場合、就職・進学などの割合は以下のとおりです。

もちろん各学校、学科などによってかなり異なってくるので、志望校が決まっている場合はその学校の進学・就職の状況についても調べてみると良いと思います。

ご覧の通り、高校卒業時(令和元年度の就職率17.7%)と比べると、高専卒業後は就職の割合が比較的高いことがわかるかと思います。

高専と専門学校は違う

私はよく、日常的に、自分が高専生であることを伝えた際に、工業高校や各種専門学校などと勘違いされることが多々あります。

高専はそもそも中学卒業後に進学する学校です。それに対して、専門学校は高校卒業後に進学することが一般的です。また、一番大きな違いとしては、高専を卒業すると「準学士」という称号をもらうことができます。これは短大を卒業した際にもらえる称号と同じものになっています。

高専は高等教育機関である

高専は区分上、高等教育機関に該当します。高等教育機関には、高専の他に、大学、短期大学、大学院(修士・博士課程いずれも)、専門学校、省庁大学校(防衛大学校など)などが含まれます。
それに対して、一般的に中学から進学する人の多い高校は、後期中等教育機関に分類されます。

では、その分類の違いにより、どのような違いが出てくるのでしょうか。ここからお伝えしていきます。

ちなみに明石高専の学校説明動画の2:40~ でも、高専制度について紹介されています。

明石高専 学校紹介動画 – YouTube

高校生は生徒、高専生は学生

学校教育法では、初等教育を受けている者を「児童」、中等教育を受けているものを「生徒」、高等教育を受けているものを「学生」とすることが定められています。
つまり、中学・高校生は「生徒であり、大学・高専生は「学生であるといえます。

「生徒」と「学生」の違いについては色々な解釈がありますが、私個人的には、「生徒」は教科書に沿った既知の知識を体系的に学ぶのに対し、「学生」は自ら主体的に知識を学び、未知なるものを研究するものであると考えています。

これについては高校生が時間割通りの授業を受けているのに対し、大学生では自分の好きな分野を学ぶことをイメージしていただければわかりやすいかと思います。

授業をするのは先生じゃない?

今まで小学校、中学校、高校で授業をしていたのは、教育免許を持った先生だったかと思います。少し語弊はありますが、高専で講義をしているのは、教授、准教授、その他、肩書きの種類は複数あるものの、いわゆる研究者がほとんどになります。

ですから、高専では各先生が自身の研究室を与えられており、各先生が自身の専門、研究テーマなどを明確にお持ちです。(非常勤の講師等を除く)また、休みの日にはご自身の研究をされていることも多く、講義の中でその研究について語ってくれるような先生もいたりします。

実生活で見える違い

ついにお待ちかねの、実生活で現れてくる具体的な違いでございます。

各年齢によってかなり変わってきますので、区切って説明していこうと思います。

入学 ~ 3年の18歳の誕生日

この間の期間は、正直高校生に比べて少し優越感を感じている高専生が多いかと思います。

具体的に感じるメリットはこちらです。

周りより夏休み、春休みが長い

ずっとお伝えしてきているとおり、高専は大学に近い学校ですので、3学期制ではなく前期・後期制です。ですから、夏休みが2ヶ月近くあります。

学割が使える

学割というと様々なものがありますが、もちろん高校生が使える学割もたくさんあります。
ただ、例えば、Appleの学割は「学生」のみが対象なので、iPadが1~2割程度安く購入できたりします。

また、高専の場合は、大学などと同じように、学生ごとに学校からメールアドレス (ac.jpのドメイン) が割り当てられてられており、例えばSpotifyの学生プランは、そのアドレスを使うことで学割が適応されたりすることがあります。

図書館ネットワーク

実は、図書館は法律に基づき、様々な種類の図書館ネットワークが形成されています。

何度もお伝えしてきたとおり、高専は大学に近い学校ですから、高専の図書館は大学の図書館ネットワークにつながっています。この最大の利点はやはり専門書の圧倒的な蔵書数です。もし明石高専にその本がおいていない場合でも、大学の図書館ネットワークを活用することで、コアな専門書を取り寄せたりすることができます。

現状、これを活用できている高専生は少ないと思いますが、是非活用していってもらいたいと思います。

3年の18歳の誕生日 ~ 4年に上がるまで

大学受験がない

高専は5年制ですから、3年の時点では大学受験がありません。これによって、自分のしたい専門分野の勉強に打ち込むことができたり、そもそも大学受験のための勉強をする必要がありません。

クレジットカードを作成できる

基本的にクレジットカードは18歳かつ、高校卒業までは発行することができません。

しかし、これには裏技があるんです…

皆様お察しの通り、高専生は例外なんです。もちろん審査があるのは当たり前ですが、そもそも学生が審査に通りやすいというのは有名な話です。(親が学費を払えているという信用)

高校生は不可のアルバイトがほぼ可能

法律上、原則として18歳未満の青少年は夜間に労働をすることができません。また、18歳になっていても、高校生は不可という場合もよく目にします。

例えば、私が長期休みお世話になっているバイト先は、飲食系の某大手チェーン店ですが、22:00~4:00は18歳以上(高校生不可)となっています。私の友人のバイト先でもこの条件は多く耳にします。

しかし、高専生はこの限りではありません。少なくとも私のお世話になっている店では、18歳の誕生日を迎えた日から深夜労働や、週40時間の制限が開放されるとのことでした。

ただし、このことは責任者の方でも知らないことが多く、すぐにいいよとは言われない場合も多く予想されますので、その場合は勇気を出して、相談・説明してみると良いと思います。

その他

上で紹介したことにも当てはまりますが、そもそも 高専生は都道府県の青少年健全育成条例や、青少年保護育成条例の中に記されている高校生には該当しませんので、極端な話、パチンコや性風俗店へも合法的に入店可能です。(推奨するわけではありませんが、実際に問題はありません。やめとけよー)

4年 ~ 5年

4〜5年生は、地元の同級生がどんどん大学生になっていくので少し劣等感を感じてしまう部分もあるかも知れません。また、大学に編入する場合は編入試験のための勉強をする必要も出てきます。

また、専門科目が中心になってきますので、1〜3年生と比べるとやはり苦労することの方が多そうです。しかし、学校の先輩方を見てると、学年が上がるのにつれて、楽しい生活を送られているように思います。やはり2〜3年以上通っていると、自分の城という感覚が芽生えてくるのでしょうか。

生徒と学生の違いまとめ

いかがでしたでしょうか。

ここまで述べたとおり、生徒と比べて学生の方が自由が効くというのは確かです。中学卒業後、その自由を手に入れられる選択肢として、高専が用意されています。

ただし、高専はこの自由ゆえに、会う人と会わない人がはっきりと別れます。高専の留年率が高校と比べて高いのもこれが原因です。

このことも一つ頭に留めた上で、ぜひ高専への進学を検討していただければと思います。

高専について、知りたい情報を十分ご提供できましたでしょうか。もし他にも高専の情報を手に入れたいという方は、このサイトを漁っていってみてください

では!

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