JRにずっと乗りたい!大回り乗車

皆さんは大回り乗車というものをご存知でしょうか。これはJRのルールの範囲内で安く長く電車に乗る裏技です。

鉄オタ界隈では常識と言っても良いようなもので、一般の方でも少し遠くまで安くで旅ができたり、時間つぶし、勉強など、その活用方法は無限大です。

今回は、そんな大回り乗車について、導入の経緯から実際のタイムスケジュールまでを細かくご紹介します!

この記事は2021年10月4日時点での情報をもとに作成しています、ダイヤ改正・規約変更などにより不可となる場合もありますので、最新情報を事前に収集した上で自己責任でお願いします。

大回りのやり方

大回りの概要

まずは、大回り乗車とは何かについて説明します。

鉄道マニアの中では「乗り鉄」と呼ばれる、ただ電車に乗ることが好きな人たちがいます。そのような人たちの中には、いかに安く長時間乗れるかを考えている人も多くいます。これを実現してくれる特例が大回り乗車です。

具体的には、A駅からB駅に行く場合には、JRが推奨する最短ルートが用意されています。しかし、 国鉄時代より、旅客運営規則にて”大都市近郊区間内相互発着の普通乗車券及び回数乗車券における特例”が認められていることで、ある条件を満たせば、どのような経路で乗車しても最短経路の運賃で計算されることになっています。

これを応用することで、例えば1駅分の運賃で山手線一周なんかもできてしまうわけです。

もちろん、検札や途中の改札に引っかかることもありません。

ルール

先程も説明したとおり、大回り乗車には様々なルールがあります。具体的には以下のとおりです。

ルール
  • 全行程が大都市近郊区間内であること
  • 同じ駅を通らないこと
  • 途中下車は不可(改札・ワンマンカーからでるのがNG)
  • 大阪近郊区間以外では新幹線は不可

注意点

上記のルールのもとで、注意点も何点かありますので、ご紹介します。

一部の特急列車・新幹線も利用可

 青春18切符などの一部の特殊な切符は、仮に特急券を購入しても、それで特急列車や新幹線には乗車できません。しかし、大回り乗車で利用するのは普通乗車券ですから、特急券を購入することで、特急列車や新幹線、更にはグリーン車やAシートも楽しむことができます。

 ただし、特急券の購入にはその区間分の正規の料金が必要であるとともに、大都市近郊区間を外れて乗車することはできませんので、ご注意ください。

IC利用不可の区間には注意/基本的にはきっぷがおすすめ

JRにはICカードが利用できない区間があります。そこが経路に含まれる場合はICカードを利用することができません。

また、詳しい規定は公開されていませんが、ICカードには時間制限があると言われています。例えば5~6時間を超えるような場合は改札で引っかかるケースもあったようです。

もちろん基本的には、駅員さんに説明すれば理解してくれますので問題はありませんが、以上のことを総合すれば、お互いの負担・リスクを減らすという意味で、ICカードは使用せず、切符で行くことをおすすめします。

検札、一部改札では説明が必要な場合も

 車内検札の際は、車掌さんに「大回りです」と伝えればすぐに理解してくれる場合がほとんどです。ただ、一部の車掌さんは、そもそも大回りの仕組みを知らない場合や、経路の説明を求められる場合があります。これに関しては、こちらが特殊なことをしている以上、説明の義務があるかと思いますので、その際は丁寧に説明してあげてください。

 また、乗り換え改札では、自動改札機を通過することができない場合があります。これは、本来通過するはずのない改札を通過したことで、システムが不正乗車と勘違いしてしまうためです。この場合も、インターホン、駅員改札へ向かい、駅員さんに「大回り乗車です」と説明すれば、特に何もなく通してくれます

SUGOCA大回り

参考:https://4travel.jp/travelogue/11462548

全然関係ありませんが、「SUGOCAで大回り乗車は本当にすごか!」、このタイトルめちゃめちゃ気に入りました。

なぜ認められているのか

経緯

 そもそも”大都市近郊区間内相互発着の普通乗車券及び回数乗車券における特例”が導入された経緯を説明します。

 例えば下の図のA駅からB駅に行く際、複数の行き方が考えられますが、いちいち最短経路を意識していてはビクビクして仕方がありません。そこで、複数の路線が入り乱れている東京・大阪・福岡・新潟・仙台の指定のエリアでは、これを意識せずとも好きな経路を選ぶことができるようになりました。

これにより、常態化していた不正乗車を減らすとともに、車掌さんの検札業務の負担も減らすことができるようになりました。

各ルールが存在する理由を考察してみた

全行程が大都市近郊区間内であることの理由

これは大回りの特例が導入された経緯を考えれば、あたりまえといえます。

途中下車が不可である理由

JRでは一部条件を満たせば途中下車が可能になっています。が、大都市近郊区間内のみを利用する場合はその条件を満たさないことになっていますので、不可となります。

ちなみに、乗越し精算をすれば下車は可能ですが、例えば一駅区間の切符と比べると比にならない額が必要になる場合がありますので、ご注意ください。

同じ駅を通ってはいけない理由

これを認めれば、大都市近郊区間内でのキセル乗車(折返しなど)を容認してしまうことになりますから無理なのは当たり前です。

具体例

ここからは、具体的なコースをいくつかご紹介していきます!

一般的に有名なコース

東京近郊区間

私は関西在住のため、東京近郊区間について詳しいことはわかりませんので、JR大回り乗車ガイドさんの記事から引用・抜粋してご紹介します。

1.北関東

南武線・青梅線・八高線・両毛線などを利用
http://noritetsu.net/omawari/2017/08/tokyo-modelcourse/#_

2.東関東

総武本線・東金線・成田線・水戸線などを利用
http://noritetsu.net/omawari/2017/08/tokyo-modelcourse/#_-5

3.南関東

総武本線・東金線・外房線・内房線・京葉線を利用
http://noritetsu.net/omawari/2017/08/tokyo-modelcourse/#_-9

4.西関東

鶴見線・根岸線・相模線・川越線などを利用
http://noritetsu.net/omawari/2017/08/tokyo-modelcourse/#_-13

大阪近郊区間

1.大阪→和歌山→奈良→京都→新大阪(4府県制覇コース)

大阪の大阪環状線ホームから出発し、阪和線で和歌山まで行きます。和歌山線、大和路線と乗り継いで奈良に行き、さらに奈良線に乗って京都を制覇。あとは京都線を新快速でぶっ飛ばすなり、普通でゆっくりするなりして、新大阪でゴールインです。

ただし、和歌山駅で、駅員さんが常駐していない乗り換え改札口があり、インターホンを通して対応してもらう必要があり、少々面倒です。

また、大和路線内で加茂駅まで行ってしまわないよう注意が必要です。キセル乗車になってしまいますからね。

2.琵琶湖大回りコース

JRで京都から敦賀(福井県)へは、琵琶湖を東からまわる琵琶湖線と、西からまわる湖西線の2通りの行き方があります。この2線を乗り継いでぐるっと一周するのが琵琶湖大回りコースです。

このコースの注意点としては、2線が分岐・合流する駅は、京都寄りが山科駅、敦賀寄りが近江塩津駅であるため、乗り換えはそこで行わなければならないことです。しつこいですが京都や敦賀まで行ったらキセルですからね。

しかし焦りは禁物です。この路線は“近江”とつく駅が6つもあり、間違えて降りてしまったら1時間電車が来ないこともあります。

3.加古川線大回りコース(実際にこの記事でご紹介します。)

明石高専生の場合、魚住を出発して尼崎からは宝塚線(福知山線)に乗り換えます。宝塚など目もくれずに、奥まで進んでいき、谷川で加古川線に乗り換えて加古川まで戻ってきたら、神戸線に揺られて帰るだけです。

もちろん加古川→谷川→尼崎と回っても問題ありません。

この加古川線大回りではよく時刻を調べておかないと、長時間待ちぼうけを食らうことになります。特に加古川線の西脇市から北は2、3時間に1本というローカル線です(加古川線ユーザー及び、全国のローカル線ユーザーの方ごめんなさい)。

また、加古川駅では有人の乗り換え改札があります。あれだけ滅茶苦茶なことを書いた加古川線ですが、利用者は多くいます(南側だけ?)。ですのでラッシュ時などには混雑することもあります。まあお客さんがいなければ和歌山に比べて相当はやいですよ。

4.普通に環状線一周

そのままです。1周21.7km、19駅を約40分で走る大阪環状線をぐるっと回るだけです。

特別なコース

1.年越し限定1040km – 日本最長大回り

参考:https://travel.spot-app.jp/newyear_ekimemo/

2.総距離748km – 関西最長大回り

参考:https://watakawa.hatenablog.com/entry/2020/05/01/170322

明石高専生がよく行くコース/魚住駅発着のコース

1.加古川線大回り

先ほどもご紹介したコースです。

2.始発で関西一周

いずれ実際に行くかと思いますので、その際に道程や注意点などを具体的に掲載します。

実際にやってみた

今回は加古川線大回りに実際に行ってきましたので、その経路と過程をご紹介します。

09時34分に魚住を出発しました。切符は乗り換えの都合から加古川までの運賃(200円)を払っています。快速に乗り、加古川とは逆方向に2駅進んだ西明石で新快速に乗り換えます。

10時22分、尼崎に到着。28分発の丹波路快速で篠山口まで(日中は篠山口までのため)行きます。篠山口での10分間に特急こうのとりなどを見ることができました。普通福知山行きに乗り換えて谷川へは11時56分に到着しました。

12時10分に加古川に向けて出発しました。今回乗った電車は加古川まで直通する唯一の便で、ほとんどの場合は西脇市駅で乗り換える必要があります。

13時31分、加古川に到着し、乗り換え改札を通ってそのまま加古川駅で降ります。

あとは、魚住まで引き返せば、我らが聖地、明石高専に到着です。

大回り乗車の意義とは?

前提としてご理解いただきたいのは、大回り乗車はあくまでも遠くに行くための手段ではないということです。では、なぜ大回り乗車をするのでしょうか。

その答えは、ただ、電車に乗るためなのです!

一般的な感覚をお持ちの方からすれば、圧倒的おかしなことであることは、わかります。
が、例えば、”土日、勉強に捗らず、電車の中で勉強をしてみる”だったり、”今日は本当にすることがないから、お金をかけずに電車旅をしてみよう”などと、「時間をつぶす」、「電車そのものを楽しむ」など、実は良いワーキングスペースになるかもしれませんので、一度やってみてはいかがでしょうか。

今回の記事で伝えたかったことは…

ちなみに、高専(少なくとも明石高専)には、大回り乗車を何度もしているような、“健全な” 鉄オタもたくさんいます。ぜひ進路としてご検討ください!結局、宣伝(笑)

まとめ

以上、今回は大回り乗車について、実体験とともにお伝えをしましたが、いかがでしたでしょうか。実は、この記事も、大回り乗車で奈良線車内からお届けしています。

ぜひ一度、トライしてみてはどうでしょうか。

お望みの情報を十分ご提供できましたでしょうか。もし他にも情報を手に入れたいという方は、このサイトを漁っていってみてください

では!

SNSでシェアしてね!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です