菅政権発足以降、携帯キャリアには波乱の時代がやってきました。そんな中、AppleやSoftBankのイベントと並んでauが発表した”povo2.0“。「ゼロから、君のやり方で。」をコンセプトにまさかのベースプラン料金は0円!
今回は驚愕の新プラン”povo2.0″について、その生い立ちから詳しく解説していきます。
この記事は2021年9月22日時点で発表されている情報をもとに記載しています。
最新情報はKDDIホームページをご確認ください。
各プラン詳細
povo1.0
2020年後半、菅政権の発足と楽天モバイルの参入が重なり、携帯業界はプランの値下げ競争が始まりました。
そんな中、2020年12月3日にNTTドコモが新たなスタイルの料金プラン”ahamo”を発表して以降、同22日にソフトバンクが対抗プラン”SoftBank on LINE”→現”LINEMO”を発表しました。
auはどうするんだ?と皆がKDDIの動向を伺う中、ついにauでも2021年3月23日から、ahamo対抗プラン”povo(1.0)“が契約スタートとなりました。
料金プラン詳細(1.0)
基本スペック
- 料金:2,728円(税抜2,480円)- 発表当初は2,980円+税だったところから、通話オプションを分離することで値下げ
- 月間データ容量:20GB – 20GB超過後は1Mbpsに制限
- 通話料金:通話 | 22円/30秒 – SMS送信料 | 1通3.3円
- トッピング:24時間使い放題220円 | 5分かけ放題550円 | 完全かけ放題1650円
- その他要件:esim対応、auの家族割プラスカウント対象、LINEの年齢認証対応
povo1.0誕生の裏事情
実は、auは2020年10月の発表会でシンガポールの通信企業”Circles.Life”と共同会社を設立して、MVNOとしてpovoのようなプランを提供する構想を紹介していました。
しかし、2020年12月、ahamoの発表会の直後に1万円近い新プランを発表したことでauは大炎上します。ここでなんとか人気を取り返そうということで、povoをauの本プランとして発表することで巻き返しを図りました。
また、他社と差別化を図るため、通話料金の切り離し、トッピングとして24時間データ無制限を発表しました。
povo2.0
2021年秋、SoftBankやAppleの発表会が連日行われました。その先陣を切ったのが、料金プランpovoを提供するauでした。
翌日、SoftBankはSoftBank Airの5Gプランなどを発表しましたが、povoはこれを全て打ち消してしまうほどの発表でした。
料金プラン詳細(2.0)
- 基本料金:0円 ここにトッピングをしていく仕様です。
- 月間データ容量:ベース0GB – 容量消費後は128Kbpsに制限
- 通話料金:通話 | 22円/30秒 – SMS送信料 | 1通3.3円
- トッピング:1GB/390円〜150GB/12,980円 | 24時間使い放題330円 | 5分かけ放題550円 | 完全かけ放題1650円
- その他要件:esim対応、LINEの年齢認証非対応
料金プラン比較表
新旧プラン変更点
改善点(メリット)
- 0円から自由に組み合わせを選べる!
本プランでは基本プランがゼロ円 になり、今までのデータ○GBというのは、トッピングという形でオプション形式になりました。
- 契約年齢の引き下げ!(13歳〜)
今回、契約年齢が18歳から13歳に引き下げられました。家族で契約を考える場合は大きな改善点かと思います!
- データはまとめ買いでお得に!
今までは20GB/月で2,728円固定でした。この度、20GB以上のトッピングにおいては値下げされた形です。
- #ギガ活が熱い!
まだ詳細は発表されていませんが、ギガ活というシステムが導入されます!これは特定のお店でauPAYを使って決済をしたり、特定のスポットへ行くとギガが貰えるというサービスです!
今までありそうで無かった良いシステムだなと思いました。
改悪(?)点
- データ容量が0GBの場合の通信速度
今までは容量消費後1Mbpsで利用できていましたが、今回128Kbpsに変更されました。
128Kbpsといえば、au本プラン、ソフトバンク、Y!mobileや、格安SIMの制限時と同等のスピードです。YouTubeなんかはまず見れませんし、LINE通話なんかもたまに途切れることがあります。
- 24時間トッピングの値上げ
今回24時間トッピングが220円→330円に変更されました。これはベース0円であることを踏まえると仕方ない変更なのかもしれません。
- 自動更新ができない
今回の新プラン、現段階ではギガを使い切ってしまうと、その都度購入し直さなければなりません。KDDIとしては今後検討はするものの、しばらくはないとのことでした。
- au系の各種割引がほぼ非対象
今回、auの家族割、端末保証、じぶん銀行住宅ローンの優遇、au自動車ほけんの割引、安心ナビなど、au契約に依存する系列サービスの各種割引のほとんどが非対象となりました。
これは、後ほど紹介しますが、auブランドからの切り離しが感じられました。
- LINEの年齢認証が不可に
LINEの年齢認証が非対応となりました。これは一部の方は不便になってしまうのではないでしょうか。これは対象年齢が13歳まで引き下げられたことも理由の一つかと思います。
お困りの方は、楽天モバイルがゼロ円でも年齢認証できますので、ご検討ください。
今後欲しいトッピング
- 制限時1Mbpsトッピング
マイネオの「パケット放題plus」のようなトッピングが出てくると、KDDI・消費者ともにwinwinなのかなと思いました。
- 10GBトッピング
3GBの次が20GBというのはいかがでしょうか(笑) ネットでも5GB、10GBに期待する声は大きかったです。
- 日数制限撤廃プラン
料金+10%程でデータの日数制限を延長・撤廃するトッピングがあるといいなと感じました。
おすすめの使い方
①24時間トッピング×楽天モバイル
楽天モバイルは、楽天Linkを使用することで通話・SMSが完全無料になり、またデータも1GBまで無料と、携帯代を節約したい方には最強のキャリアです。しかし、参入して間もないため、圏外・不安定になることが多く、メインで使うには少し不安の声も多いのが現状です。そこで、デュアルSim運用の相方を探す方も多くいました。
この楽天0円運用の相方として、povoはいかがでしょうか。
普段、通信はpovo、通話・SMSは楽天Linkで行います。そして外出で利用する場合はpovoの24時間トッピングで利用します。これで、そこそこに完璧な通信環境が、通信を使った日数×330円 で構築可能です。
②通話かけ放題のみ契約
高齢者の方やビジネス用としては通話かけ放題のみの契約もおすすめです。
月1,650円で標準アプリから24時間通話かけ放題の環境が完成します。また128Kbpsと低速ではありますが、通信も可能です。
新プラン発表の狙い
本ブランドからは明確に分かれた
今回の新プランの印象として大きかったのは、povoは、やはりauのプランではなく格安SIMの部類だということです。
これはauの系列サービスとの連携を切ってきたことからも読み取れるかと思います。ただ、これが悪いことかというと、そう言うわけでもありません。むしろ、消費者にシンプルなワンプランを提供すると思えば、良いこととも捉えられます。
そもそもpovoはもともとMVNOとして登場する予定でした。それを考えれば、軌道修正していると言うのが正しい表現でしょうか。
ahamo、LINEMOとはもう別物
もともとこのプランが発表される流れとして、総務省の圧力に応え先陣を切ったのはドコモでした。auとSoftBankはこれに続く形で丸パクリとも言えるプランを発表したわけですが、povo2.0はそのイメージを払拭する狙いも感じられます。
現状、ahamo、povo、LINEMOの3プランではahamoが圧倒的に優勢な状態。
LINEMOについては正直論外と言う印象ですが、povoについては独自路線で進化を遂げていることから、今後のシェア拡大は十分に期待できると思います!
携帯キャリアの今後
今年1年は間違いなく携帯業界にとって波乱の年でした。
菅政権は間も無く退陣を控えていますが、今後携帯キャリアはどうなっていくのでしょうか。私個人的には、今後は自発的な競争が激化して、自然な値下げが進んでいくことを期待しています。
また、格安SIM各社は今後どのように動いていくのでしょうか。正直今のままだと、潰れてしまうところも少なくないのでは、、、
いずれにせよ、今後に期待です!
今回はpovo2.0が熱い!と言うことでご紹介しました。必要な情報がご提供できましたでしょうか。もし他にもたくさんの情報を手に入れたいという方は、このサイトを漁っていってみてください。
では!
プラン詳細については公式サイトにて、比較表が公表されています。(https://povo.au.com/pr/202109/spec/)