Snapdragon 8 Gen 1発表!名前も新たにジャンプアップ!

https://www.qualcomm.com/news/onq/2021/11/30/snapdragon-8-gen-1-mobile-platform-world-firsts より引用(2021/12/10)

 Qualcommは先日のQualcomm Tech Summit 2021で最新フラッグシップSoCとなるSnapdragon 8 Gen 1を発表しました。従来の命名規則ではSnapdragon 8xxというように100の位でSoCのグレードを、その下の位でグレード内の立ち位置を表していましたが、新たな命名規則ではグレードと世代がすぐに分かる名前になりました。

 そして今回の進化は名前だけではありません。その内容を見てみると命名規則を変えるにふさわしい進化を遂げています。端的に言えば基本となるCPU/GPUの進化に加え、電力効率、画像処理性能、AIエンジンの進化と、最近のトレンドをつかんだ堅実な進化です。ですが流石はQualcomm、進化の大きさが桁違いです。今回の進化をちょっと箇条書きでまとめてみましょう。

  • 最新4nmプロセス採用
  • 電力効率の改善
  • CPU/GPUがそれぞれ約20/30%の性能向上
  • 下り最大10Gbps以上の高速X65モデム内蔵
  • 大幅進化したISP(Image Signal Processor)を搭載
  • 従来比4倍のAI性能

現状最強SoC現るか!? 大幅進化とともに登場

https://www.qualcomm.com/news/onq/2021/11/30/snapdragon-8-gen-1-mobile-platform-world-firsts より引用(2021/12/10)

 いかがでしょうか。最新の4nmプロセスと新型Kryo/Adrenoを採用したことによる電力効率の改善やCPU/GPUの性能進化はもちろんのこと、モバイル端末では重要となる最新モデムを採用している点も評価できるでしょう。ただ、電力効率に関してはあくまで効率が改善しただけなので、必ずしも発熱が減っているとは言い切れない点には注意が必要です。ここに関しては実機を見てみないことには分からないため製品が出てのお楽しみといったところでしょうか。

 そしてなんといっても今回の目玉はISPの進化でしょう。ISPはその名の通り画像処理に特化したプロセッサのことです。今回のSnapdragon 8 Gen1ではISPの数が従来の2つから3つになり、処理性能自体も大幅進化しました。それにより8K HDRや4K/120Pでの撮影にも対応し、色深度も18bitまでサポート(従来は14bit)。また静止画では複数の画像から一枚の画像を合成する低照度撮影向けの機能も強化されました。

 カメラ性能に関してはセンサーによる部分も大きいのでこの性能をフルで発揮することは難しいかもしれませんが、現状ボトルネックになることはないであろう化け物スペックです。競合製品となるA15 Bionicを搭載したiPhone 13シリーズは8K動画撮影に対応してませんから、実用性は置いておいて有利な点といえるでしょう。

 ちなみに今回のSnapdragon 8 Gen1ではメインのISPに加えてQualcomm Sensing Hub(第3世代)用の独立したISPを搭載しています。こちらのISPは常時ONにしておくことができ、顔認証やユーザーの検出に使えるようです。写真と動画の撮影はメインのISPで行い、常時起動用のISPを別で設けることで、待機電力の削減に加えプライバシー保護の強化が図れます。これはセキュリティーに敏感な人とってはうれしい機能ですね。

https://www.youtube.com/watch?v=3H6tfcZLHfg より引用(2021/12/10)

 そして最後に注目のAI性能ですが、Qualcomm曰く今作Snapdragon 8 Gen 1ではAI性能が4倍になったようです。具体的にはTensorアクセラレーターの高速化、共有メモリーの増量、電力効率の改善、複数精度の混合計算のサポートなどにより性能向上を図りました。また、Tensorアクセラレーターが前世代比約200%の性能を実現するなど、各項目で大幅に進化を遂げていることもわかります。

 QualcommのチップはCPU/GPU/DSPを同時に使って機械学習を行うという特徴を持っていますから、その強みを生かして最適な計算精度を都度選択すれば機械学習を高速化させることが可能です。また、画像の高画質化や映り込みの削除、音声のノイズ除去など、その強力なAI性能が生かせる分野も多いと思うので、今後こうした機能を持ったアプリが出てくると面白いのではないでしょうか。

 さて、というわけで今回はQualcommの新フラッグシップSoC、Snapdragon 8 Gen 1をサラッと紹介しました。現在出回っている情報ではSnapdragon 8 Gen 1が一部アプリでA15 Bionicを凌ぐ性能を発揮すると囁かれており、またaptX LosslessやLE Audioへの対応、セキュリティー機能の強化など新規格・新機能が盛りだくさんのSoCになっています。Snapdragon 8 Gen 1を搭載した各社ハイエンドスマホたちがどんな端末になるのか筆者も今からワクワクです。そしてApple、Qualcomm、MediaTek、3社バチバチのバトルから今後も目が離せませんね!ではまた~

 

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