2021年10月26日に発売されたMacBook Pro 14/16インチ。この記事では発売後1か月が経ち新たに明らかになってきた情報も含め、スペックや機能を詳しく解説していきたいと思います。
ちなみに今回のMacBook Proの発表はこちらです。M1 Pro/Maxチップ 14:10~, MacOS 23:47~, MacBook Pro 30:02~ となっています。発表のうち約7割を割いていることからもAppleが新型MacBook Proに力を入れていることが伺えますね。
昨年発売されたM1チップ搭載MacBook Air/Pro 13インチに続き、Apple Silicon搭載Macの上位モデルとして発売された今回のモデル。そのうちM1 Max搭載モデルはAppleがMacBookシリーズ最上位と位置付けることもあって、モバイル向けApple Siliconが現時点でどれくらいの性能が出せるのかという点にも注目が集まりました。
また、従来のMacBookシリーズから大幅な仕様変更が加えられるという事前の情報もあり、外観やI/Oについても多くの関心を得ていたかと思います。そういった点も踏まえたうえで、新MacBook Pro 14/16インチについて紐解いていきたいと思います。
MacBook Pro 14/16インチはどんな感じ?
さて本題のMacBook Pro 14/16インチのラインナップと細かな仕様の解説に入りましょう。今回のMacBookがカタログスペックの面でどれだけ進化したのか注目です。
新MacBook Proシリーズのラインナップ
一口にMacBook Pro 14/16インチといっても複数のバリエーションが存在します。ということで、ここでは新MacBook Pro 14/16インチのラインナップとスペックを紹介しましょう。上の画像のリンクからApple公式の比較ページに飛ぶこともできます。
まずバリエーションについてですが、今回のMacBook Pro 14/16インチは搭載するチップの種類、メモリ容量、ストレージ容量の異なるモデルが存在します。まとめると以下の通りです。
項目\モデル | 14インチモデル | 16インチモデル |
---|---|---|
搭載チップ (CPUコア数/GPUコア数) | M1 Pro (8/14 , 10/14 , 10/16 ) M1 Max (10/24 , 10/32) | M1 Pro (10/16) M1 Max (10/24 , 10/32) |
メモリ容量 | 16GB (M1 Pro のみ) 32GB 64GB (M1 Max のみ) | 16GB (M1 Pro のみ) 32GB 64GB (M1 Max のみ) |
ストレージ容量 | 512GB 1TB 2TB 4TB 8TB | 512GB 1TB 2TB 4TB 8TB |
値段 (最小構成~最大構成) | 239800円~(673800円) | 299800円~(705800円) |
続いて主なスペックとその詳細に移りましょう。先ほど紹介した項目以外は基本的に共通ですが、一部異なる部分もありますのでご注意ください。
なお、ここでは端的にまとめるため専門的な用語が出てきます。後の解説で可能な限り簡単な言葉で解説していますが、もしわからない部分があればtwitterの「#WithKOSEN質問係」で質問も受け付けておりますので是非ご活用ください。頂いたご質問については、改めて詳しく解説した記事を検討いたします。
- ディスプレイ
- 14.2インチ
- ミニLEDバックライト
- Liquid Retina XDRディスプレイ
- 解像度 3024 x 1964 ピクセル
- 輝度 1000nt (ピーク時1600nt)
- DCI-P3色域
- True Tone対応
- 最大120Hzの可変リフレッシュレート
- チップ
- M1 Pro/Maxチップ搭載
- 最大10コアCPU/32コアGPU
- GPU性能(Pro/Max) → 最大5.2/10.4 TFLOPS
- 16コアNeural Engine
- 高機能なメディアエンジン
- メモリ
- 16/32/64 GB
- メモリスピード(Pro/Max) → 最大200/400 (GB/s)
- LPDDR5-6400メモリ採用(推定*)
- ストレージ
- 512GB/1TB/2TB/4TB/8TB
- I/Oポート・端子
- Thunderbolt 4(USB-C)ポート x 3
- HDMI 2.0 ポート
- UHS‑II SDXCカードスロット(250MB/s 制限)
- 3.5mmヘッドフォンジャック
- MagSafe 3充電ポート
- バッテリー
- 最大17時間駆動(Apple TV動画再生時)
- 高速充電(MagSafe 3・USB-C両対応)
- ワイヤレス機能
- Wi-Fi 6(802.11ax) 対応
- Bluetooth 5.0
- サイズと重量
- 高さ x 幅 x 奥行 → 1.55 x 31.26 x 22.12 (cm)
- 重量 → 1.6 kg(Pro/Max共通)
* 6400(Hz)×256(bit)÷ 8(bit) = 204.8(GB/s) , 6400(Hz)×512(bit)÷ 8(bit) = 409.6(GB/s) となり公称値とおよそ一致するため
- ディスプレイ
- 16.2インチ
- ミニLEDバックライト
- Liquid Retina XDRディスプレイ
- 解像度 3456 x 2234 ピクセル
- 輝度 1000nt (ピーク時1600nt)
- DCI-P3色域
- True Tone対応
- 最大120Hzの可変リフレッシュレート
- チップ
- M1 Pro/Maxチップ搭載
- 最大10コアCPU/32コアGPU
- GPU性能(Pro/Max) → 最大5.2/10.4 TFLOPS
- 16コアNeural Engine
- 高機能なメディアエンジン
- ハイパワーモード(Max搭載モデルのみ)
- メモリ
- 16/32/64 GB
- メモリスピード(Pro/Max) → 最大200/400 (GB/s)
- LPDDR5-6400メモリ採用(推定*)
- ストレージ
- 512GB/1TB/2TB/4TB/8TB
- I/Oポート・端子
- Thunderbolt 4(USB-C)ポート x 3
- HDMI 2.0 ポート
- UHS‑II SDXCカードスロット(250MB/s 制限)
- 3.5mmヘッドフォンジャック
- MagSafe 3充電ポート
- バッテリー
- 最大17時間駆動(Apple TV動画再生時)
- 高速充電(MagSafe 3使用時のみ)
- ワイヤレス機能
- Wi-Fi 6(802.11ax) 対応
- Bluetooth 5.0
- サイズと重量
- 高さ x 幅 x 奥行 → 1.68 x 35.57 x 24.18 (cm)
- 重量(Pro/Max) → 2.1/2.2 kg
* 6400(Hz)×256(bit)÷ 8(bit) = 204.8(GB/s) , 6400(Hz)×512(bit)÷ 8(bit) = 409.6(GB/s) となり公称値とおよそ一致するため
MacBook Proの進化ポイント
ここまで主な仕様とその詳細を説明してきました。次はそれらも含めた新型MacBook Pro 14/16インチの進化したポイントを見ていきましょう。ざっと箇条書きでまとめると次のようになります。
- モバイル向けでは最高レベルの性能
- 優れた電力効率
- 便利になったI/Oポート
- きれいになったディスプレイ
- ハイインピーダンスなヘッドフォンも鳴らせるヘッドフォンジャック
- 空間オーディオにも対応したスピーカー
- インカメラ・内臓マイクの品質アップ
こうしてみると堅実な進化から、今まであった不満点の改善と大幅アップデートに見合った進化をしているなといった印象です。詳細についてはこの後の章で詳しく説明しますが、スペックと使い勝手の両面でAppleのブランドに恥じない出来に仕上がっていますね。
個々に見ていくと、性能や電力効率、I/Oポートといった作業に直結する進化も当然うれしいのですが、ディスプレイやスピーカーなど体感的な部分に加え、インカメラや内臓マイクなど近年重要度が増した部分も進化しているのは何気にうれしいところです。このような細かい部分の不満は長時間の作業をしていると少しずつ蓄積していくので、地味ですが日々道具として使う上では重要な部分です。
ここにも注目、変更点!
今回のアップデートはかなりの大幅アップデートだったので、スペック上では分かりにくい変更点もいくつかありました。ここではその中から特に大きな二つをご紹介したいと思います。
- 外観の大幅変更
- 筐体のデザイン変更
- ディスプレイにノッチを採用
- Touch Bar廃止
- ファンクションキー復活
- ファンクションキーは通常キーと同じ大きさ
まず外観の大幅変更ですが、こちらに関しては発表後賛否両論といった感じでしたね。デザインに関しては完全に個人の好みと主観なので何とも言えないのですが、以前のデザインに比べ筐体の厚みが目立つデザインだと感じました。
一方で昔のMacBook ProやPowerBook G4を彷彿とさせるレトロ風なデザインと捉えることもできますし、そう考えると今回のデザインも悪くはないのかなと思います。 I/Oポートの穴がType-Cポートに比べて目立つという意見もありますが、それは端子の仕様上どうしようもないのでその点は利便性優先ということで、、、、
ノッチを採用したディスプレイに関しても、ライトモードで気になるのは確かですがダークモードにしてしまえばあまり気になりませんし、従来のメニュー部分がノッチの両サイドに収まってくれるのでわずかに表示領域も広がりますから一長一短といったところでしょうか。
そして注目なのはTouch Barの廃止です。Touch Barに関しては以前から不満の声が多かった点なので、この変更は巷でちょっとした騒ぎになるくらいには注目を集めました。Siriの誤作動問題など、Touch Barのメリットよりもデメリットの方が大きいと感じていた人にとっては朗報なのではないでしょうか。
実は言うとTouch Barの廃止に関しては先ほどの進化ポイントの一つとして紹介しようかとも思ったのですが、技術的には退化していることと、Touch Barにメリットを感じていた人も一定数いることも加味して今回は一変更点として紹介しました。
ちなみにTouch Barに代わって復活したファンクションキーは通常のキーと同じ大きさで、MacBook Airより縦に大きくなっています。また、ファンクションキーの右側にあるTouch IDのスペースもそれに伴って大きくなり、認証部分には円形の突起が付いたので暗い場所などでも手探りでロック解除しやすくなっています。
次ページ : 新型MacBook ProはどんなノートPC?
Apple SiliconとはAppleが独自に設計したチップ。また、M1チップは昨年に発表された初のパソコン向けApple Silicon 。CPUとGPUの両方を一つのシリコンダイに搭載する。通常のパソコンメーカーはIntelやAMDといったメーカーからCPUを買い、NVIDIAやAMDからGPUを買ってパソコンを作るが、AppleはiPhone/iPad向けのAシリーズで培ったノウハウを生かして自社でチップを設計している。今回の新型MacBook Proに搭載されたM1 Pro/MaxはApple Silicon最新作にしてM1チップの上位に位置付けられる。